
近年、全国的にクマの市街地出没が問題となっていますが、京都市内でも「アーバンベア」と呼ばれる人里近くに現れるクマの出没が目立つようになってきました。
右京区では、特に宇多野地域での出没情報が相次いでおり、「早朝からクマの鳴き声のようなものが聞こえる」といった声も住民の方々から届いています。

私自身もこの深刻な状況を受け、先日の代表質問で「クマ対策」を取り上げました。
全国的にもクマの市街地出没が増えている中、京都市が属する丹波個体群では、令和5年度に370件の出没情報が寄せられ、推定生息数は約350頭とされています。
出没件数は一時より減ってはいるものの、シカの増加などによるエサ不足が原因で、人家周辺に現れやすくなっていると考えられます。
市内でも商店街や小学校近くでの目撃が相次ぎ、令和5年度には左京区修学院で人身被害も発生しました。もはや「山の出来事」ではなく、都市部でも身近な危険となりつつあります。
こうした状況を踏まえ、私は「アーバンベア対策」を喫緊の課題として取り上げました。
今年、鳥獣保護管理法が改正され、市町村の判断で銃による対応が可能となったことは前進ですが、都市部では安全確保が難しく、また猟友会の高齢化や人手不足も大きな課題です。
そのため、私は京都市に対し、今後の対策として次のような具体的な検討を提案しました。
・京都府と連携し、出没頻度の高い時期・エリアの把握を強化
・クマの行動を変化させる「ベアドッグ」および「学習放獣」の導入
・光や音で野生動物を撃退する装置「モンスターウルフ」などの活用
京都市からは、問題意識は共有しており、提案した策も含めて検討したいとの答弁がありました。
今後も、府・市・地域が連携しながら、実効性のある対策を進めていく必要があります。
「自分の地域では関係ない」と思っていた出来事が、気づけばすぐそばに迫っています。
市民の皆さんには、クマの目撃情報を見かけた際はすぐに京都府林務事務所(075-451-5724)や最寄りの区役所へのご連絡をお願いいたします。
一人ひとりの注意と行政の備えが、地域の安全を守ります。
私も引き続き、現場の声を大切にしながら、安心できる地域づくりに全力で取り組んでまいります。
京都市議会議員 江村りさ