生活保護制度 決算810億円

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代表質問が終われば次は各局に対する決算審査です。

昨年度の24年度決算のおいて事業に問題はなかったか、予算を掛けた分
着実に事業が遂行されているかを審議します。

第2分科会に所属している私は、本日保健福祉局に対し質問を行いました。

今回取り上げたのは生活保護の適正化に向けてです。
平成24年度 生活保護決算額 約810億円(市内保護率3%)

生活保護は最低限の生活を保障する非常に貴重な制度であるとの認識はして
おりますが、制度上の漏れが多いために、不正受給が後を絶ちません。
納税者目線に立って、適切な制度推進を図るためにも厳しく追及しました。

京都市における生活保護の不正受給額
平成23年度 約4億円
平成24年度 約3億7,000万円

主な不正理由は就労収入の無申告など。偽装離婚もまだまだ多いと聞きます。
額自体は一昨年よりやや減少したものの、まだまだ大変な額です。
京都市では通報窓口を設け、レセプトの電子化によって効率的に不正を探索
するなどの試みが行われていますが、それでもまだ不正受給が後を絶ちません。
そのため、今回医療扶助に目を向けました。

なんとこの医療扶助は、年間340億円もの経費が発生しています。
340億円と言ってもぱっとイメージが湧きませんが、例えば年間の消防局
総事業費が約240億円なので、軽くその額を超えるほどです。

度々、マスコミなどでも過剰診療や不適正な医療についての報道がなされますが、
正直なところ、国の規制も阻み、自治体として歯止めをかけられていません。
(医療扶助の一部負担、医療機関の指定など、効果の出せそうな案は
どれも制度上、自治体ではどうしようもありません。)

そこで、先日大阪の西成区へ生活保護について伺い、状況を確認させて頂いた
通院医療機関等確認制度について今回京都市に採用を提案しました。

被保護者に対し不要な重複診療が発生しないよう確認証を配布し、医療機関や
薬局へも確認の協力を呼び掛けるというシンプルなものですが、一定利便性も
あり、モラルにうったえかける意味合いもあって、数字として成果が出ています。

(ここでは事情があり正確な数値まではお示しできませんが。)
しかも、紙を配るだけなので導入経費はほぼ掛かりません。

今回の質疑も踏まえ、また京都市の生活保護率が政令市の中でも3番目に高い
ことも踏まえたうえで、担当者の方には今後前向きにご検討を頂きたいです。

生活保護は本来はもっと国で積極的に対策をとってもらいたい課題です。
ただ、社会福祉費の増大は年々止まらず、待っていても埒が明きません。
そのため現場で事業を執り行う京都市が腹をくくってできることから取り組ま
ないと制度自体がいずれもたなくなってしまいます。

今後、本当に困っておられる生活保護者を守れるかどうかは、「市や国が持続可能性を見据えた制度を目指し、強い舵取りをできるか」
にかかっていると思います。

京都市会議員 江村理紗