前回も市政報告書10号で紹介したリニア中央新幹線(以下、リニア)の京都駅誘致。今回は改めてリニア構想の重要性と進捗についてご報告します。
何故リニアの誘致が必要なのか
京都市から遠方に移動する際、新幹線「のぞみ」や「ひかり」をご利用される方が非常に多いと思います。
しかしこの「のぞみ」や「ひかり」が新幹線の老朽化によって段階的に縮小・廃止をJR東海で計画されていることをご存じでしょうか。このままでは、東海道新幹線は最終的にこだまルートのみとなってしまいます。
そもそも新幹線の老朽化により、新幹線の整備より新たな交通網を敷こうという目的でリニアが開通するため、従来の新幹線を整備する余裕はありません。仮にリニアが京都を経由しない場合、空港を待たない京都市の不利益は避けられず、京都から他府県への移動が不便になるだけでなく、リニア沿線に沿って発達すると思われる経済の流れから外れ、交通の便が悪いことから観光誘致も伸び悩み、大幅な経済的ダメージを受けることになります。だからこそ、将来の市民生活の利便性や京都の維持発展のためにもリニアの誘致は真剣に取り組む必要があるのです。
リニアが京都を経由することによる関西のメリット
もちろんリニアを誘致したいのはどの都市も同様です。当初より誘致が計画されていた奈良県や三重県では既に自治体を挙げて誘致への気運が高まりつつあります。京都市はようやく重たい腰を挙げて誘致合戦に参戦し、やや出遅れ感は否めませんが、国への要望やポスター掲示等による市民への呼び掛けを行っています。今とにかく大切なのはリニア誘致への市民の盛り上がりです。オリンピック誘致と同様に、市民の盛り上がりが大きな影響をもたらします。
また頻繁に開催される関西広域連合の会議でもリニア誘致について議論さ
れ、大阪市長や滋賀県知事より“京都への誘致”に向け支持を得ています。というのも、誘致候補に挙げられる京都、三重、奈良の中で、リニアを誘致した際の経済波及効果が最も期待できるのが、京都駅ルートだからです。
誘致への費用負担はかかるものの、経済波及効果や利用者・事業者便益の点でも京都市は圧倒的に有利となっています。つまり関西全体に最も大きな効果をもたらすことのできる中間駅ルートと言えます。
京都のメリット
リニア京都誘致は、市民の交通利便性の確保をはじめ、観光客誘致(リニア自体も観光資源)、企業誘致による経済効果、世界に発信できる文化の街京都の保全など、魅力的な京都のまちづくりのために欠かせない政策です。
リニア新幹線の京都誘致には“リニアが必要!”という市民の機運が不可欠です。
タクシーに広告が出されているのもその一環です。