ごみ収集業務について

ごみ収集業務について

先週、京都党議員団で福岡市のごみ収集業務を視察に伺いました。

視察の目的は京都市のごみ収集業務の民間委託幅50%を、
今後さらに拡大させることができるかの検討について。
委託幅拡大の議論をする際、度々福岡市のごみ収集が事例にされ、
100%民間委託に頼り市の直営業務を持たないために運営費が高止まり
しているとの議論になっています。
ただし、民間にできるものは民間に頼りながら行政の負担を減らすことが
一般的にはコストを有効な手段と言われる中で、
「委託幅の拡大=運営コストが嵩む」といった構図が起こり得るのでしょうか?

そこで今回は、福岡市の実状を確認することにしました。

まず、福岡市のごみ収集業務の経費は年間約88億円。
人口規模がほぼ同じである京都市と比較しても倍以上の経費です。

ただし、100%民間委託の他に、夜間収集(深夜~朝方の収集)や
戸別収集(一戸建ては家の前で収集)といった京都市とは異なる制度であるため、
夜勤手当(年間約6億円)や収集地点が圧倒的に多く非効率となる点を考慮すると
一概に委託幅によるものだけとは言えない状況です。

民間委託に頼り切っているゆえにこれまで何らかの問題が生じたか確認もしましたが
「特にそういったことはない」との回答でした。
京都市は民間委託を50%以上に引き上げれば
“価格が高止まりする”、”緊急時のために直営を残す”との主張をしますが、
実際に民間委託100%をずっと続けている福岡市ではそれを根拠づけられるものは
見受けられませんでした。

一昨年から直営を維持するためにごみ収集職員の新規採用を乱暴に再開した京都市。
根拠なく100%の民間委託を急に推進するべきだとは考えていません。

しかし、サービスを維持しながらコストを抑えた事業を益々求められる中で、
本当に直営を根強く半分残していく必要性があるのか、改めて議論すべきだと考えます。

京都市会議員 江村理紗