四条通への問題提起と改善提案(3/6)

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議会を終え、市民の方とお話する中で代表質問についてたくさんの方よりご質問いただきますので、改めて分割して要約をご報告致します。

★代表質問は一問一答形式の委員会とは異なり、双方が何回も質問と答弁の応酬がなされるものではありません。一括質問・答弁ですので、答弁内容は質問に対応すると思われる部分を抽出して掲載します。

3.歩行空間への改善提案

・京都党の考え方
この結果を受けて見えてくることは、“賑わいのあるまち、歩いて楽しい街”というスローガンは今後の京都市の目指す方向性として既に広く市民に受け止められているものの、シンボルプロジェクトである四条通歩道拡幅事業においては、現在の公共インフラの整備状況ではスムーズにアクセス方法をシフトできないために、日常生活に支障をきたし不満につながっているのではないでしょうか。「元に戻してほしい」と望む方においても、「ここまで工事をしてしまったものは仕方ない」とのお声や、「せめて現状課題への改善を検討して欲しい」と願う声が少なくありません。そもそも、拡幅工事によってバス事業における停留所への補導員配置や路線変更があること自体、支障をきたしていると言わざるを得ません。
そこで、京都党としては、現在本市から提案されている是正策以上に、抜本的な改善策を打ち、市民の違和感を払拭する必要性があると考えます。

・歩行空間改善策
先ず、歩行空間について申し上げます。歩行空間には、屋根の拡張を求める声が非常に目立ちました。京都市では、アーケードの屋根は四条繁栄会のものであるため拡張は検討していないとお聞きしていますが、実際に歩かれる多くの利用者からは「歩道を拡幅したのに屋根がひろがっていないので、雨や日差しを避けると自ずと以前の幅の部分で歩くことになる」との声が聞こえてきます。屋根と景観の問題を重視するなら、いっそパリのシャンゼリゼ通りやミュンヘンのノイハウザー通りのように取り払ってしまうことも考えられますが、利用する市民ニーズや雨に濡れない街を重視すれば、せっかくの歩道幅を存分に機能させるためにも屋根を拡張すべきではないでしょうか?現状では残念ながら市民からは「中途半端ではないか」との厳しいご意見が多くございます。市民の声を踏まえ、改めて四条繁栄会とも積極的に話を進めるべきと考えますが市長のお考えをお聞かせください。(祇園祭りの鉾への配慮もあるので、歩道拡幅部分だけでも屋根を設置できないか)
また同様に、四条を歩かれる市民からは烏丸〜河原町間の地下道をこの機に今の百貨店への地下入口以外にはテナント等が入っていない状態から何らかの手を加えて欲しいという声も目立ちました。エキチカのように店舗で賑わうことが求められていますが、すぐにクリアすることが難しければ、例えば動く歩道の設置や、地上から地下につながるルートをもう少し目立たせて分かりやすくするなどの策を検討してはいかがでしょうか?この地下道は阪急が所有するスペースではありますが、“歩いて楽しい、賑わいのある街”を目指すには地上だけでなく地下や空中も含め空間全体を捉えた街づくりが望ましいと考えます。そのうえで民間企業や団体ともさらに強力を求めた上で進めていただきたいと思います。

<本市の答弁>
アーケードの歩道いっぱいまでの延長につきましては,様々なお考えがございますが,大都会の中心部の四条通から東を見ると東山,西を見ると西山の山並みが眺められることで,都心にいながら山紫水明の都を実感することができるなどの御意見も多くあり,また,多額の費用も要することから,商店街も京都市も現時点ではアーケードを延長する予定はございません。
次に,四条通の地下通路につきましては,昭和38年に阪急電車の延伸時に地下通路として,阪急電鉄により建設され,同社によって管理されております。その活用につきましては,かねてから関係者と様々な協議を行ってきたところでありますが,空調や防火設備,給排水設備などの大きな制約があり,すぐに大規模に活用することは困難であります。しかしながら,単なる地下通路でなく,賑わいのある歩行者空間に変えていかなければならないと私も認識しております。
まずは,地下と地上をつなぐわかりやすい案内表示につきましては,バス・阪急電鉄・商店街等と協議を行い,整備に向けてすでに準備を進めております。また,大きな施設改良を伴わずにできる,例えばアート空間としての活用なども関係者との協議を始めており,取組をすすめてまいります。
またこの間,歩行者天国やさらなるマイカーの流入抑制策をはじめ,多くの方から四条通に対する多数の御意見をいただいております。多くの課題もありますが,今後とも,京都府警察など関係者の皆様としっかりと協議を継続してまいります。

<行政答弁に対する江村コメント>
見晴らしは個々人の感じ方によりますが、四条通で“山紫水明の都の実感”を重視する方がそれほど多いのでしょうか。
それほど景観を優先するのであれば現在の屋根を残す時点で、政策判断として中途半端です。
その後の委員会での質問で、屋根の拡張には新たに30億円近い予算が必要との説明もあったため、一定実現は難しいと判断しましたが、歩道幅と屋根がちぐはぐな構造には違和感が残ります。
地下通路の有効活用に関しては前進させていくといった答弁があり、これには是非期待したいところです。
ただ、歩行空間の障害物となっている関西電力の変圧器は、当初は移設できるとの説明がありましたが、委員会で追求を進める中で、工事完了間際になって複数箇所の移設が難しいことが分かってきました。

京都市議会議員 江村理紗