家から近い学校しか通えない!?希望を制限されない入試制度を実現
〜希望校を自由に選べる制度へ〜
昨日の教育福祉委員会では、公立高校入試制度についてとりあげました。
京都市の現行の公立高校入試制度は、住所を基に受験者を学区内の学校に振り分ける総合選抜制。
この現行制度では、生徒が行きたい高校を希望するのでなく、
最寄りのバス停にしたがって通う高校が決定されます。
そのため、不本意入学の生徒がいて当たり前という風潮が残念ながら否めませんでした。
総合選抜制の利点は“高校入試で不合格者を出さないようにする”というもので、
「15の春は泣かさない」という言葉が1つのキャッチフレーズになっています。
この意味では一定の成果をあげてきました。
しかし、住所に縛られる仕組みは、必ずしも生徒や保護者にとってセーフティーネットにはうつっていないのが現状です。
私も京都市で高校受験をした身なので、
“生徒の希望が優遇されない”制度は中学校時代から問題に感じておりました。
総合選抜制をとっているのは、残すところおそらく京都のみです。
(京都府は総合選抜廃止に積極的で、一部を残し単独選抜制に移行済みです。)
市役所の担当課の方とお話をしていると、毎年公立の入試が終わると、
高校の振り分けに対して市にたくさんの苦情が入ると聞きます。
京都市の現行制度では単独選抜や特色選抜の枠を一部設け、
制度が非常に複雑化している分、公平性などを問えば一応の説明がつきます。
しかし、希望していないにも関らず最寄りのバス停区間で振り分けられることに対しては、
最終的に不満を持った生徒たちに納得のいく説明をすることはできません。
頑張って受験勉強に励んでも、希望がかなわないこともあります。
しかし、そこで味わう挫折は実力以外のものであってはなりません。
〜特色ある学校運営を〜
子供たちが実力で希望校への切符を掴んでほしい、それが私の願いです。
4月に当選後より、さっそく市役所の担当課の方へお話に伺いながら、
何とか行きたい学校を自由に希望させてあげられる制度転換を求めて話し合ってきました。
なかなか良い答えをいただけませんでしたが、
今回、高校入試制度に係る懇談会が設置され、総合選抜制の廃止を検討し、
通学圏内の行きたい高校を自由に選択できる単独選抜制へ移行する議論が本格的に始まりました。
単独選抜へ切り替えた場合、行きたい高校を一本に絞るか、複数選べるようにするか、
類型制(学力・専門別クラス)を残すか、などさまざまな検討事項があります。
私は、単独選抜に切り替われば、公立高校も私立と同様に学力差が生まれる
(現状でも学力差はあり、制度転換でも変動幅はかわりません)と予想されるので、
すでに学力の高い専門学科等を設けている高校があることも考慮すれば、
特進クラスである普通科第Ⅱ類は設けなくてもよいのではと感じています。
学力差を何段階も設けるより、専門性の種類を設ける方が有効かと考えます。
そのため、学校ごとの特色化は進む流れのなかで、
普通科第Ⅲ類のスポーツや芸術、英文などは残すべきだと思います。
これらも委員会の場で申し述べました。
この他にも、南北通学圏について、京北町が京都市北通学圏に入っていないことなども質疑を行いました。
京北は2005年度に京都市右京区へ編入されたものの、現在も口丹通学圏のままで、
京北地域の中学生は、京都市の高校普通科を受験することはできません。
これらの質問に対して、理事者側の回答は、
「現段階では通学圏の見直しは検討していない」とのことでした。
ただ、入試制度を見直す大きな転換期に、議論しておきたい事項は何点もあります。
引き続き、教育関係者や市民の方々にご意見もいただきながら、
入試制度、通学圏に関わる議論を進めていきたいと思います。