四条通への問題提起と改善提案(6/6)

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議会を終え、市民の方とお話する中で代表質問についてたくさんの方よりご質問いただきますので、改めて分割して要約をご報告致します。
★代表質問は一問一答形式の委員会とは異なり、双方が何回も質問と答弁の応酬がなされるものではありません。一括質問・答弁ですので、答弁内容は質問に対応すると思われる部分を抽出して掲載します。

6.東大路通工事の今後の方針について

東大路通の整備においても触れさせていただきます。
現状、四条通一車線化に伴う交通渋滞を回避するために、先月より「バス停改札」を導入し、乗客を降ろしてからバス停で運賃回収をする対策がとられている状況を考慮しますと、このようなことが恒常的な形として望ましいものであるかは甚だ疑問であります。
そのため、東大路通の整備においても非常に交通量が多く迂回路の確保も一層困難なことから、今後の計画の方向性において極めて慎重に検討すべきです。市民からのアンケートも提示します。アンケートによりますと、東大路通の計画について、24%が「分からない」と回答されましたが、賛成18%に対し、反対が54%と3倍近い数字となりました。この結果を踏まえ、改めて今後の方向性としてどのようにお考えになりますか?市長のご所見をお聞かせください。

<本市の答弁>
東大路通は,幹線道路であるのみならず,地域住民の皆様が日常生活に利用される生活道路でもあり,多くの人,車が行き交う重要な道路である一方,狭く,急な勾配がある歩道は,例えば,高齢者の皆様が歩きづらい,あるいはバスを待ちづらい等のたくさんの課題がございます。
そこで,東山区全11学区及び交通安全対策協議会から,区民・観光客の皆様が快適に利用できる東大路通の整備等に関する要望をいただき,地域・関係機関等の皆様の御参画のもと,「東大路通歩行空間創出推進会議」を設立し,平成24年8月に「東大路通整備構想」を策定いたしました。
この構想に基づき,東大路通の東山三条から東福寺の区間におきまして,現在の道路幅員の中で,歩行者が安心・安全に通行できる空間確保を優先して,歩道環境整備の検討を行っておりますが,そのために,東大路通の交通量低下のための対策や公共交通の利便性確保のための対応が不可欠でございます。
東大路通における安心・安全な歩行空間の確保は「歩くまち・京都」の実現に向けた課題であり,道路空間の再構成にあたっては,四条通と異なる道路の幅,沿道状況,自動車や歩行者の数など,多くの相違点を十分に考慮する必要があること,また,観光シーズンを中心に東大路通や周辺道路で発生する交通混雑への対応や,これに伴う公共交通の利便性の確保等の課題もあることから,慎重に取り組むべきものと考えております。
このため,更なる市域内への車両流入抑制を図るとともに,東大路通の歩道勾配の改善やバス待ち環境の改善などについても,引き続き,様々な角度から検討を重ね,現在実施している四条通歩道拡幅事業を教訓として,取組を進めて参ります。
本事業は,地元住民の皆様方の切実な御要望をいただき,検討を始めたものでございますので,住民の皆様のコンセンサスのもとで事業を進めていくことが,何よりも大切だと考えております。
このため,今後とも,住民の皆様・関係者の皆様の御参画のもと,地域の実情を踏まえた本事業のあり方について,幅広く意見交換を行いながら,取り組んで参ります。

<行政答弁に対する江村コメント>
行政は地域住民とのコンセンサスで決定するとの説明をしますが、基本的に一部の代表者とのみの議論のため、事業による影響が大きい案件については地域住民や関係団体等への理解だけでなく利用者の視点を重視する必要性があります。
春の大渋滞を含め、これほど市民への影響が大きい事業であるにも関わらず、想定・準備不足が目立つため、政策誘導ありきではなく、市全体の状況に寄り添った判断が肝要です。

京都市議会議員 江村理紗