9月半ばから始まった決算議会にて、
まずは教育委員会より「京都市いじめの防止に関する条例」の制定について
提案がなされているため、質問致しました。
条例(案)の内容としては、いじめの未然防止及び早期発見、いじめに対する
迅速かつ適切な対応、及び再発の防止の取組を推進すること、またいじめを
許さない心を育むことなどを掲げられているため、望ましいと考えています。
大切なのは、その条例を具体的な対応に落とし込めていけるかどうかなので、
生徒・児童によるいじめへの仲裁(そのリスクも踏まえて)について、また
京都市のいじめ認知件数の実態、及び京都市のいじめの傾向を把握する必要性
などについて述べました。
以下、簡単にですが京都市のいじめ対応の状況についてご紹介します。
・京都市のいじめの認知件数
平成23年度 196件
平成24年度 272件(前年比約140%)
いじめの認知件数は増えておりますが、小中学校で1校につき、年間1〜2件
という数字です。(実際はもっと発生している印象を受けます。)
私は、認知件数が上がることは、より実態に即していじめに悩む児童・生徒に救い
の手が差し伸べられることなので、望ましいと考えております。
2年前の代表質問でもいじめの認知件数向上を求めました。
その上で今回、さっそく認知件数がぐっと伸びると共に、行政担当者の方からも、
「いじめ認知件数は多ければ多いほどよい」という意気込みで実態把握に努める
との答弁を受け非常に心強く感じています。
※補足ですが、京都市の不登校生徒は平成22年度で963件(同年、いじめ220件)
のため、不登校はいじめ認知件数の4倍にも上っています。
・アンケート調査の活用
京都市では平成24年度よりクラスマネージメントシート(アンケート)を導入。
2年前の大津市で同級生からのいじめにより男子中学生が自らの命を絶つという大変
痛ましい事件から、児童・生徒の心に寄り添うための実態調査アンケートの更なる
有効活用に注目し、兼ねてより京都市に要望をしてきておりました。
クラスマネージメントシートによるいじめの発見
導入前 いじめ全体の2%
導入後 いじめ全体の20%
導入以前はアンケートによるいじめ発見が年間4〜5件だったところから、一気に
50〜60件に伸びているため、大きな効果が出ています。
また、近年ではインターネットを使ったいじめも増加傾向にあります。
京都市としても発見や防止に苦慮している状況です。
時代と共により複雑化しながら変わるいじめの傾向に、難しさを感じますが、
私も勉強しつつ、困っている人の声に耳を傾けながら向き合っていきたいです。
京都市議会議員 江村理紗