小栗栖排水機場周辺における浸水被害

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先月の台風18号による大雨の影響で約280件の浸水被害を出した
小栗栖地域について、今週の委員会では浸水被害の原因を巡って厳しい
追及がなされましたので、ご報告致します。

浸水被害が最大2メートル近くにまで達したという今回の件は、
もともと夜中の排水機場1・2号ポンプ停止における対応の遅れが原因です。
何故このような事態になったのか、まちづくり委員会で原因追及が行われました。

【当日の経過(京都市の報告資料より)】
9月16日(月)
午前2時20分 ≪1号ポンプ停止≫
午前2時50分 ≪2号ポンプ停止≫
        委託職員Aが洪水対策作業中に事故に遭い気を失う
午前3時48分 市へ「畑川の水位が上昇している」と市民より通報
午前3時50分 市は小栗栖排水機場及び委託職員の携帯へ電話。しかし不通。
午前4時30分 委託職員Bが小栗栖排水機場に向かう
午前5時50分 市の職員も小栗栖排水機場に2名出動
午前6時40分 委託職員Bが小栗栖排水機場に到着。
        大声で委託職員Aを探したところ待機室から職員が出てきた。
        委託職員Aは、この間の記憶は無く、ほほに打撲跡有。
午前6時47分 ≪1・2号ポンプ運転再開≫

この経過報告により、委託職員Aは作業中に気を失ったため、あまり厳しく
指摘しにくい面もあったのですが、委員会資料で職員Aが“作業場ではなく
待機室から出てきた”ことからも「本当にこの職員は気を失っていたのか」
との疑問が浮上しました。

市民説明会やまちづくり委員会からも「人災であることを認めるべき」との
指摘が何度も出ていますが、市は「第三者委員会の結果次第」の一点張りです。

今回の被害に対し、市は莫大な損害を被ることになります。
委託業者が賠償する割合はまだ確定していませんが、そもそも賠償能力がどこまで
あるのかという懸念(保険も含め)もあります。
ただし、被災された方にとっては、委託業者も京都市も変わりません。

とにかく京都市として一刻も早く、被害への補償を含め被災者対応を行うこと、
そして委託業者の責任をうやむやにせず賠償責任を厳しく追及すること、
また、そもそも入札方法に問題(まるで随意契約)があるため、今後の
委託業者選定の在り方自体を見直していくこと、などの議論がなされました。

いずれにしても、被災された方の心情を想い、迅速かつ的確な対応が必要です。
台風18号は京都市の災害対応における様々な問題を浮上させました。
同様のことが生じないよう課題は山積みです。

京都市会議員 江村理紗