昨年、東日本大震災の津波に遭った岩手県陸前高田市の松で作った薪(まき)を
「京都五山送り火」の大文字で燃やす計画が中止された問題。
燃やされるはずだった薪は、その後岩手に返されることなく、京都市西京区の
圧縮梱包施設にて現在も保管されています。
先月、東北地域の読売新聞にも
「五山送り火で使用中止 セシウム検出薪今も京都に」という見出しで
保管状況が報道されていました。
コンクリートブロック造りの旧機会室内でブルーシートの覆いの下に、
10数本単位に小分けにした状態で二重のゴミ袋に入れられた保管状態は、
「そんなに危険なのかな」と感じさせられるほど厳重です。
しかし、担当局の方に聞いてみると、ビニール袋にわざわざ覆っているのは
単純に「木くずが飛び散らないようにするため」であるとのこと。
決して放射性物質の飛散を懸念したものではありません。
実際に、保管の室内と屋外での放射線量は通常の自然界の数値で問題ないようです。
受入れ当時、薪の表皮から1,130ベクレルの放射線量が検出されたため、
その数値が独り歩きしてしまっていますが、表皮をめくれば放射能は極めて
問題のない数値です。
体積比で考えれば薪自体、危険ではありません。
しかし、残念ながら薪の処分方法は現在も決まっていません。
風評被害を増大させてしまった京都市の責任を考えると、いつまでも放置する
わけにはいかない問題です。
何らかの慰霊祭などの行事で使用できないか、または、広域処理の試験焼却で
燃やすことができないか、など担当課の方とも情報交換しながら現在処分方法
を模索しています。