京都市の救急救命率向上を目指して

~世界一命を救う街、シアトルに学べ~


京都市の年間119番通報件数は8万3000件
通報時に心肺停止状態は約1300名

1.伸び悩む救命率

心肺停止者の救命は、一分一秒を争います。京都市の救急隊の到着時刻平均6分30秒は全国でも屈指の速さを誇りますが、それでも心肺停止者に電気ショックを行うまでには通報から8分を要します。
そこで、京都市では普通救命講習を実施し、平成27年時点で延べ46万人が受講していますが、救命率の向上につなげるのは至難の業です。

なぜなら、救命講習をしたことがある方でも、いざ心肺停止の方に遭遇すれば、「本当にできるだろうか」「失敗したらどうしよう」などといった心理的なハードルがどうしてもつきまとうからです。
そんな中、注目すべきモデルがアメリカのキングカウンティ―群、シアトルにありました。

2.シアトルのとりくみ

シアトルでも、京都市と同様に救命講習は実施されています。それに加え、強化されているのが通報時の“口頭指導”です。
シアトルでは着信後平均24秒で緊急性を察知し、電話越しですぐに心肺蘇生の口頭指導を実施します。

●911通報での口頭指導の内容(一部)

救急車の配車はもちろんのこと、シアトルでは上記のような口頭指導が全てにおいて優先されます。

シアトルの救急救命の資格を持つ若者に「倒れている人がいたらCPR(救命処置)をするか?」と聞くと「出来るけど、怖いので911(緊急番号・日本でいう119番)に電話する」とのことで、電話を通しての解説によって緊急時の心理的ハードルが軽減されていることが伺えました。

3.救命率を上げるには

[myphp file=’talk-em’]京都市でも救命率向上のために徹底した仕組みを導入するよう議会で求めました。
普通救命講習と共に、いざという時に講習を活かせる体制強化に向け動いております。
[myphp file=’talk-close’]

チラシ23号2017年3月発行より抜粋