これまで、家庭から回収した天ぷら油をバイオディーゼル燃料として、バスやごみ収集車に活用する事業を行ってきました。しかし、ごみ収集車両の老朽化に伴い、新型車両への更新が進む中で、100%使用済み油由来の燃料が使用可能な車両の最終更新時期が近づいています。そうなると、今後は使用済み油由来の燃料を5%含む車両のみとなってしまいます。市民が使った油を行政が回収し行政サービスで使用するという「市内循環」は、環境に良い取り組みとして市民の見える化で素晴らしいコンセプトです。

しかしながら、バイオディーゼル燃料の製造コストは1リットルあたり327円と非常に高騰しており、軽油価格の約2倍で決して採算の取れる状況ではありません。

【出展】京都市HPバイオディーゼル燃料化事業における<直近の回収実績>より抜粋
https://www.city.kyoto.lg.jp/kankyo/page/0000000008.html
近年市内の家庭で回収する使用済み油の量はピークから35%減となっており、コロナや高齢化による地域機能の低下によるものとの指摘もあるものの、京都市の事業として効率性、採算性も踏まえ積極的に打ち出せる事業となっていないことも背景にあると感じます。
こうした状況を踏まえ、他都市でも導入が進みつつある航空燃料(SAF)への供給への切り替えを検討することを提言しました。
本市での燃料化施設の維持についても廃止も含めた見直しが必要です。