2018年も残すところ2週間を切りましたね。
今年、私が政策課題に取り組んでいる一つに、中学校給食がありましてその進捗をご報告します。
京都市立の中学校に通った現在30歳以下の方なら選択制の中学校給食に馴染みがあられると思います。
京都市では平成12年から順次選択制の中学校給食が導入されています。
実施から18年が経った今、京都市議会で中学校給食に力を入れている議員の中では、「選択制で選べるから現状でいいじゃないか」という意見と「成長期の栄養バランスも考え全員給食制を」との意見があがっています。
私も今年は教育福祉委員会に所属していることから特にこのテーマを考える機会が増えたのですが、まず気になったのは
①お弁当の栄養バランス、②親御さんの多忙さです。
20年前に京都市で実施した食生活アンケートでは、保護者からの意見として「お弁当を喜んでいる」(多数意見)、「栄養バランスを考えて作っている」「弁当で親子の絆が深まる」との意見もあり、やり甲斐や健康への配慮をもって作られている様子が伺えます。
一方で、「毎日の弁当作りは大変」との意見も目立ち、共働きや働いている母親の場合バランスの取れた弁当づくりは大変、同じおかずで栄養が偏る、といった声も見受けられます。
20年前はこれら双方の意見を配慮し、選択制での中学校給食が始まったわけですが、そこから女性の就業率はさらに進み、現在では子育て世代の7割強の女性が就業する時代。
共働き世帯が増える中で、例えば「確かにお弁当は作ってあげたいけど、できれば子どもとの対話の時間をもっと増やしたい」として、家事負担とコミュニケーション時間の挟間で天秤にかけるなど価値観は微妙に変化してきているようにも感じます。
また、限られた家事の時間に、お弁当の栄養バランスの配慮や、おかずバリエーションを持つこともなかなか難しいのも実情だと思います。
子どもの個別の要望には家庭弁当の方が応えられるのは大きな魅力ですが、好き嫌いによる栄養の偏りや、極端に多い、少ない量を希望することも危惧されます。
特に女子生徒は、体重が普通・痩せ傾向に8割が入りながらも、自身に対し「太り気味である」「やせたい」と思っている傾向が如実に強く、ダイエット志向により少なめの量を希望することが予測されます。
現在、選択制給食の喫食率(選択率)は約3割。
先週、京都市立中学校で選択制で実施されているデリバリーお弁当を試食し、昼食の様子を実地視察してきました。
その日はビビンバで、その他おかずはごぼうとじゃこのパリパリ揚げなど4品。
ご飯も温かく、美味しかったです。個人負担一食310円とは思えないほどの充実度でした。
実際に保護者に対して行っている試食会でも好評との話を伺います。
栄養価や食材の調達からこだわった毎日違う献立が提供されているこの給食を見ると、成長期の生徒さんには是非食べてもらいたいなと思いました。
とは言っても、喫食率3割には事情があるはずでして。
選ばれない理由には、子どもの好き嫌いや、女性生徒には量が多い、給食は運ぶ時間が取られる分お弁当の生徒と食べ始めるのに時間差が生じる、などの課題も聞かれます。
いろいろな声を踏まえ、ご飯の量の調整は試行的に始まっておりますが、改めて選択制の給食を実施して約20年、社会環境の変化も踏まえた実態把握が必要です。
そして、来年度のできるだけ早い段階で、実態調査へのアンケートが行われることになりました。
成長期の中学生の栄養と、子育てする親の社会環境の変化を考慮して、より良い方向性を導き出したいです。