観光客が急激に増えた一方で、市民生活にも市バスの混雑、民泊による近隣への騒音など市民の日常生活にも影響が出ている問題。
今年度は観光を所管する委員会にも所属しており、先日の委員会では観光バスの路上駐車対策について取り上げました。
京都市内では特に観光バスの路上駐車が目立っているところが何カ所があります。気にして見ていると、御池通、烏丸通、五条通、飲食店や宿泊施設が多いエリアなどに観光バスが連なり、移動してはまた次のバスとひっきりなしに駐車が繰り返されているのを目にします。
今回はその中の御池通りの現状を例として取り上げました。特に河原町通から東は車線も減るところに路上駐車も重なり、度々交通渋滞も発生しております。5、6年前にも厳しい摘発がなされニュースになったことがありましたが、一時は駐停車禁止の効果により減っていたものが最近また増えてきているという状況。御池大橋にも駐車が連なることや、木屋町の横断歩道上に停車されることもあり、住民にも通行人にも迷惑となっています。
もちろん京都府の警察だけでなく、京都市も対策として駐車の目立つ箇所で誘導指導員を立てたり、駐車しているバス運転手に啓発チラシを配布したり、中国の旅行代理店に啓発を呼びかけたりなど抑止に向けて動いております。これらが一定の抑止力になっているはずですが、次から次へと駐車される観光バスの現状を見ると、今後根本的な解消も必要です。
現状、エリアによっては京都市内で観光バスを駐車できる場所がないことや、1時間以内の駐車需要に観光バスの市営駐車場が一回3,000円(120分まで)という料金設定になっていることなどが、駐車マナーを守ろうにもその手段が乏しく、状況が改善しない原因になっていると思われます。
啓発活動や府警の取り締まりはもちろんですが、これまでの状況を把握してきた行政として、根本的な解決策を図っていただきたいところです。
観光シーズンになれば、朝の通学や出勤時から混雑で大変だという話は京都市内の観光地各所ではよくある話ですが、“観光公害”という言葉が目立ってきた昨今。
京都市の街の魅力を他府県や海外の方々にも是非味わっていただきたいものの、市民生活との調和を図り、摩擦の少ない運営にすべく行政の適切な舵取りは不可欠です。
京都市議会議員 江村理紗