震災から一年以上が過ぎても未だに原発の問題は収まらず、
次から次へと問題が出てきます。
その中で今回は、震災がれきの広域処理について触れたいと思います。
近頃は専ら大飯原発の再稼働について頻繁に取り上げられていますが、
岩手県、宮城県に残るがれきの広域処理についても現在進行形の非常に重要な課題です。
各都道府県の広域処理におけるコメントや記事を見ていると、
率先して受入を開始した東京都を始め、前向きな姿勢を示している自治体がある一方、
「慎重に検討」や、「困難」と明確に打ち出している自治体もあります。
「受入の判断基準」は其々非常に判断が分かれるところです。
京都市は予算議会が終了した後の先月、
「安全性の確認を条件に受け入れる方向で検討」を表明しており、
焼却試験を実施することも見据えています。
私自身も様々な角度で広域処理における情報を集め、放射能についても勉強を続けて
います。
そのうえで、一定、がれきを受け入れるべきだと考えています。
安全性の確保に最大限取り組むことはもちろんですが。
例えば試験焼却の方法です。
試験焼却を実施した自治体では、一部バグフィルターでの放射能除去率の信憑性を
問われる件も出ています。
放射能漏れを主張する意見は、前提条件が整わない上での分析であるため一概に正しい
とは言えませんが、不安の拡大は避けられません。
結局、バグフィルター付近の測定結果が「99.9%除去=安全」の根拠になって
いるためこのような疑問が付きまとってしまいます。
「煙から放射能が検出されていない」と言えば確かにその通りです。
しかし試験焼却を行う場合は、投入したがれきに含まれていた放射能物質の総量を把握
しなければ実際どれだけ除去できたのかわかりません。
京都市で試験焼却を行う際は、量を減らして焼却時間を短縮するなど、より精密な数値を
出せるよう工夫すべきです。
専門家の意見も聞いて案を出した上で、条件的に可能な方法を模索したいと思います。
被災地に足を運んでいる分、細かいことを抜きにして受け入れたいのは山々ですが、
なかなかそうはいきませんね。
あらゆる不安要因を払拭して、一定のご理解を得られる広域処理を目指していきます。