四条通への問題提起と改善提案(1/6)

FullSizeRender.jpg議会を終え、市民の方とお話する中で代表質問について
たくさんの方よりご質問いただきますので、改めて分割して要約をご報告致します。

★代表質問は一問一答形式の委員会とは異なり、双方が何回も質問と答弁の応酬がなされるものではありません。
一括質問・答弁ですので、答弁内容は質問に対応すると思われる部分を抽出して掲載します。

1.四条通アンケートの実施

・工事が進むうえでの市民の声
この事業は京都市が目指してきたとおり、バス停待機スペースが広くなったことや歩きやすくなったとのお声も多数あります。京都市に届いている市民からの御意見では、「交通渋滞がピークとなっていた3月から4月において、3月には34件、4月は67件、特に4月前半に43件と集中していたが後半からは徐々に落ち着いてきている」とのご報告を受け、市バス事業に関してのお客様からのご意見・ご要望においても各月の受付件数は例年とさほど変わりはなく、今年度に入って3月から6月にかけての四条通りの歩道拡幅事業の影響による渋滞に伴う、市バスの遅延にかかるご意見数は計26件に留まっていると伺っています。
しかしながら、四条通りを利用する市民からは特に春の桜のシーズンに大変な交通渋滞が発生したことから、「バスに乗っても、『歩いた方が早い』とアナウンスされる」や「四条通りにますます近づかなくなった」などの声が寄せられ、現在でも車道空間だけでなく歩行空間においても不満の声が拭えません。
そのため、実際に四条通りを利用される市民の方々がどのように感じておられるのか、政策主導ではなく利用者目線に立ち返って率直なご意見を伺う必要性があるのではないかとアンケートを実施致しました。

・アンケートの実施
四条通歩道拡幅事業に伴うアンケートは、8月24日から9月12日まで二十日間をかけて行い、四条通への日常的なアクセス方法や新たな歩行空間の印象、並びに今回の拡幅工事全体の印象など、複数の項目にわたって伺いました。市民の率直なお声を伺いたいため、聞き取り方法は対面型無差別抽出を基本とし、烏丸通りから河原町通りまでの四条通りを利用されておられる方に私たちが直接お声掛けさせていただくかたちで実施致しました。歩行者の方、車を運転する方、バスを利用する方、いろいろな目線でのご意見を伺う中で、おぼろげに捉えていた民意をより鮮明に捉える機会となりました。改めてこの場をお借りして、四条通歩道拡幅事業に関するアンケートにご協力いただいた多くの皆様に感謝申し上げます。また、街頭アンケートと同時にWEBでもアンケートを行い、660件を超えるご回答を頂きました。このことからも四条通の拡幅事業の関心度は非常に高いことが伺えます。今回はデータにバラツキが出ないよう対面アンケートのみを使用し、ご報告致します。

<本市の回答>
京都市では,平成13年に策定した京都市基本計画において「歩いて楽しいまち」を掲げて以来,これまでのクルマ中心社会から,「歩く」ことを中心としたまちと暮らしに転換するための多彩な取組みを市民の皆様と進めてまいりました。
平成21年度には,「歩くまち・京都」総合交通戦略策定審議会での議論や,5,000名を超える市民の皆さんからのアンケート,2,000件を超えるパブリックコメント等を通じて,「歩くまち・京都」実現のための行動規範となる「歩くまち・京都」憲章を制定し,同時に88の具体的な施策を掲げた「歩くまち・京都」総合交通戦略を策定するなど,市民ぐるみで人と公共交通優先の「歩くまち・京都」の実現に向けた取組を進めてきたところです。
この結果,人が移動するために自動車を使う割合である自動車分担率は,10年ごとに国で調査されておりますが,京都市では,この10年間で28%であったものが24%へと4%減少,これは他都市と比べても大きな減少であります。
また,観光客のマイカーによる入洛は,この20年間で41.7%から9.9%に大幅に減少するなど,「歩くまち・京都」の理念が市民や観光客の皆様へ浸透するのと合わせて着実に成果が現れており,多くの関係者・市民の皆さんの御理解と御努力に敬意を表するところであります。

<行政答弁に対する江村コメント>
行政が実施したアンケートは「歩くまち・京都」戦略に向けてのものであり、四条通の拡幅工事のためのアンケートではありません。
行政側の答弁は工事後の四条通利用者の声ではなく、あくまで“自動車の利用を減少できた”や“観光客がマイカーで訪れる割合が下がった”という政策効果を並べ、それによって市民の理解を得られたと説明しています。
これで市民の方は本当に納得できるでしょうか。論点は別のところにあります。

京都市議会議員 江村理紗