四条通への問題提起と改善提案(2/6)

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議会を終え、市民の方とお話する中で代表質問についてたくさんの方よりご質問いただきますので、改めて分割して要約をご報告致します。

★代表質問は一問一答形式の委員会とは異なり、双方が何回も質問と答弁の応酬がなされるものではありません。一括質問・答弁ですので、答弁内容は質問に対応すると思われる部分を抽出して掲載します。

2.拡張された四条通への市民の声

・アンケート結果
街頭アンケートでは、二十日間で1,075件のご協力を頂きました。
先ず、京都市の推奨する、歩いて楽しいまち「歩くまち京都」戦略についての認知度は58%と、市の広報は一定市民に届いていることが分かります。続いて、拡幅事業がなされるのをいつ知ったかにおいては、54%が「工事着工が始まる前から」とお答えになり、街頭アンケート実施での肌感覚ではその半数程度は工事着工直前の各社新聞報道で知ったとのお声が多かった印象です。また、四条通りへ普段、車やタクシーを利用してこられる方は全体の25%で、そのうち80%が四条へのアクセスがしにくくなったと答えられました。また、拡幅以降「車やタクシーで来ないようになった」方は41%で、その過半数は四条に行く頻度が下がったと答え、同様に以前より四条へ「買い物に行きにくくなった」と答える方が目立ちました。なお、「アクセスがしやすくなった」、「買い物に行きやすくなった」との回答は5%以下に留まりました。それでは次に、公共交通ではどうかにも着目すると、四条通りまでのアクセスにバスを利用されている方は全体の25%を占め、「バス停が分かり
やすくなった」と回答された方が7.3%おられたものの、拡幅工事を経ての質問においては、肯定的・否定的な項目を均等に設けている中でも「アクセスに時間がかかるようになった」が57.7%、「バスが時間通りに来ない」と回答される方も33.3%と突出する結果となりました。非常に残念なことに、「バスが時間通りに来る」は2.2%で、何より今回の拡幅工事の一つの象徴でもありますバス待ちスペースの拡張に対しても「バス停が広くなった」にチェックをつけられた方はわずか14.3%に留まりました。しかしながら、四条通りが「歩きやすくなった」とお答えになられた方は54%と過半数を上回り、ここからは歩行空間においては概ね肯定的な評価が集まっていると読み取ることができます。そして、今回の「にぎわいのあるまちづくり」という目的においても肝心となる、「今回の歩道拡幅事業によって四条通へアクセスする頻度は以前と比較して変わったか」という質問には、「頻度が増した」が5%、「頻度が減った」が28%、「変わらない」が63%となり
ました。この結果を世代別で掘り下げてみてみますと、「頻度が増した」と答えた方は電車・バス・徒歩といった手段でアクセスし、70代に次いで40代が多く、一方の「頻度が減った」と答えた方はこれまで車・バスの手段でアクセスしていた40代、50代で渋滞を避けるといった理由で四条通りに足が遠のいてしまったのではないかと考察できます。
また、このアンケート結果をもとに世代や行政区別でのクロス集計を行ったところ、四条通りの拡幅に対して「今のままで良い」と多く回答されたのは京都府下と他府県にお住まいの方で、市内全行政区では「もとに戻すべき」とのお声が最も多い結果となりました。特に、当該地である下京区では「今のままで良い」がわずか13%に留まったことは特筆すべき課題でもあります。下京区では、徒歩で四条を訪れる方が4割程度おられ、アクセスの利便性ではなく迂回する車が四条界隈の南北・東西に多く流入したことによる不満の声が非常に多いことが伝わってきます。四条を徒歩で訪れる割合の多い東山区民を除き、自転車や車だけでなく公共交通のバスでのアクセスが多いほぼすべての行政区で元に戻すことや改善を求める声が「今のままでよい」といったご回答の倍以上に達する結果となりました。
いろいろと申し上げましたが、全体で見ますと四条通の歩道拡幅事業は「元に戻すべき」が38%と最も多く、それに次いで「今のままで良いが改善すべき」が27%、「今のままで良い」が23%と、何らかの改善または廃止を求める声が65%と、現状容認派の3倍近い数字になっております。この状況は決して無視できるものではありません。この結果を受けて市長はどのようにお考えですか?これぞまさに民意と捉えますがいかがでしょうか。

<本市の答弁>
今回の四条通の整備は,「歩くまち・京都」を実現するための取組の1つとして,平成17年に地元商店街からの要望を受けました。当時四条通は1時間あたり歩く人が7千人,車で通る人が2千人。この歩道に人があふれ,お年寄り,障がいのある人,あるいは子供連れの人が歩けないような状況でございました。そこで,平成18年度には3,000名を超える市民を対象とした市政総合アンケートや,19年度に実施した社会実験では,来街者,住民を含め約2,500名にアンケートを実施するなど,多くの皆様の御意見を踏まえながら,整備の骨格を練り上げてまいりました。
そして,地元各学区,商店街,タクシーやトラックなどの関係事業者の皆様及び,京都府警察と8年にわたる協議を積み重ね,バス停の位置から荷捌きの場所,タクシー乗り場等のきめ細かい道路構造について,一つ一つ協議し,コンセンサスを得て着工いたしました。

<行政答弁に対する江村コメント>
工事後の渋滞によるバス遅延やバス停を追越せなくなった車道などに不満の声があがり、元に戻すか、何らかの改善を求める声が多かったことに対して、本市としてどう向き合うかを問いましたが、「工事前にコンセンサスを得ている」との一点張りで、この答弁ではアンケートの結果や工事着手後の課題を真摯に受けとめてもらえたとは感じられませんでした。議員の代表質問をもってこのご答弁では、いったいどこで市民の声に耳を傾けてもらえるのでしょうか。

京都市議会議員 江村理紗